ファーウールを使う91社に要望書を提出
タヌキやキツネを苦しめて作られるラクーンウール、フォックスウールを商品に利用する91社に対し、アニマルライツセンターは以下の要望書を提出しました。これら91社が、倫理やサステナビリティを真剣に捉え、商品から動物たちの犠牲を取り除いてくれることを切に願います。
私達は動物との穏やかな共存を目指す認定NPO法人アニマルライツセンターです。
この度は貴社ブランドでお取り扱いのある、ラクーンウールやフォックスウールなど毛皮動物として飼育されることの多い野生種の動物の”毛”を使用した商品について、要望がございます。
リアルファーの生産過程での残酷性やそれに伴う環境汚染などの問題から多くのブランドがファーフリーを宣言する今日でございますが、更にリアルファーの問題は新型コロナウイルスとの密接な関係も重要視されるようになりました。
サステナビリティやCSRなどの観点からも、深刻に動物との向き合い方を見直す必要のある時代になってもなお、リアルファー関連の商品をお取り扱いされていることに消費者として危機感を抱いております。
以下、昨今のリアルファーと新型コロナウイルスについての動向をお知らせいたします。
2020年4月以降、欧米の430以上のミンク農場で新型コロナウイルス感染が確認されました。感染農場ではミンクの大量殺処分が行われ、その数は計2,000万頭に及びました。
人からミンクに感染し、ミンク農場で変異種が生まれ、オランダ、デンマーク、ポーランドではミンクから人に感染したことも確認されています。
過去のコロナウイルス(SARS)も、ラクーンドッグ農場で感染が確認されています。
多くの宿主を経由すればするほど強力な変異種が生まれる可能性が高まり、一つの農場に数千頭の動物がいる中での蔓延リスクは高いと言えます。
これらの深刻で恐ろしいリスクと、そしてなにより動物たちへの残酷さから多くの人々が動物性素材を避けるようになっているという流れが、多くの国での禁止を後押ししています。
先日フランスの上院議会は毛皮農場を禁止することを圧倒的多数の賛成で可決しました。2020年には新型コロナウイルスの影響を受けミンク農場を5年間の経過期間を経て禁止することを決定していましたが、今回の決定により即時禁止となります。ミンクに限らず、フォックス、ラクーンドッグ、チンチラなどの毛皮農場も禁止になります。
いくつかの研究や報告書も毛皮農場の危険性を明確にしています。
- 世界保健機関(WHO)と国連食糧農業機関(FAO)、世界動物保健機関(OIE)から共同で出された「毛皮農場で使われる動物における新型コロナウイルス:GLEWS+(早期警告システム)リスクアセスメント」では、米国やカナダ、リトアニア、ポーランド、スウェーデンで「ミンクの毛皮農場から全国レベルで人への新型コロナウイルス波及の可能性」が非常に高いとされている。その他にも多くの国がその可能性があるとされた。
- 2021年7月に発表された論文(Pomorska-Mól et al,)では、ミンクに症状が出ないまま広がるため、「農場のミンクの大部分が数日以内に感染する可能性があり、それが農場労働者や獣医師に大きなウイルス曝露をもたらす可能性がある」「ミンク農場でのミンクの感染規模は憂慮すべきものである」。
その主な理由は、ウイルスが感受性の高い動物の大集団を通過する能力を持ち、新たな危険な変異の出現や新たな生物学的特性の獲得を可能にする可能性があるからである。」という。
結論として、この論文は「ミンク農場は、危険で常に認識されているとは限らないSARS-CoV-2の温床である可能性がある。」と述べている。 - デンマークの毛皮農場では、感染が拡大した後ミンクの体内で抗体ができたが、その後3ヶ月も経たないうちに再度感染が起き、検査した動物の75%以上の動物が影響を受けていたという。ウイルスは新しい形に次々と変異している。
- デンマーク国立血清研究所(SSI)は、2020年11月29日までに少なくとも4,000件のミンク変異種のヒト感染例が登録されていることをこの6月に発表し、ミンク変異種の感染が人の間でも広まっていっていることを示した。今後ミンクを介してどのような変異種が発生するかは評価不能だとしている。
また2021年12月からリアルファーの販売禁止が施行されるイスラエルのギラ・ガムリエル イスラエル環境保護大臣は、「動物の毛皮のコートは、それらを作る野蛮な殺害を含む産業を覆い隠すことはできません。この規制に署名することで、イスラエルのファッション市場はより環境に優しく、動物にはるかに優しいものになります。」と述べています。
このように、世界的に動物性素材の利用は問題視され、廃止に向かっています。特に、毛皮や、毛皮動物の毛は、非倫理的なもの、持続不可能な素材の代表格と言えます。
上記内容を踏まえ、サステナビリティ・CSRなどの観点から貴社に以下の要望を求めます。
要望
- 現在お取り扱いのラクーンウール・フォックスウールなどの野生種の動物の毛を使った商品は、在庫が無くなり次第、今後取り扱いを永続的に廃止にすることを消費者にお約束下さい。
- リアルファー商品の取り扱いを、今後永続的に廃止することを消費者にお約束ください。
- ファーウール、及びリアルファー商品の取り扱いを廃止にすることを、消費者にわかるようにホームページなどで公表してください。
アパレル企業として、エシカルな社会への先導が効果的にできる分野の一つがファーフリー運動であると思います。
今という大変な社会に生きるわたしたちひとりひとりの健全な未来のため、またこれからの時代の責任を全て受け取る次の世代のため、動物性素材が内包するワンヘルスと倫理面の問題に向き合っていただきたいと切に願います。
以上、要望についてのご回答を何卒宜しくお願いいたします。
2021年12月17日
命を大切に!全ての命を大切にするところから平和が始まる。殺される為に生まれてきたのではないのです!技術が発達しているのだから、動物の毛や皮同様の素材は作れるはずです!命を粗末にしない社会に意識改革が…幼少期からの家庭教育が必要と感じます。
人間や野生動物が生きる為に動物を食べてしまう…必要な事以外はなくすべきです。