Good news!2020年の毛皮輸入量半減。動物の犠牲のない社会へ前進
ファッションに動物の犠牲がいらないことはいまや社会の共通認識になりつつあります。
2000年から2006年までの間に、あっというまにトリムとして襟などにくっついた動物の毛皮が広まりました。毛皮がついていないコートを探すことが困難なほどと言う状況でした。まだ毛皮の残酷さに気がついていない人は多数いる状態ですが、それでも毛皮が非常識なものでありトリムであっても身に着けないと誓う人々は増え、多くのブランドが毛皮の取り扱いをやめています。とくに若い人をターゲットにしているブランドはその流れを敏感に感じ取っています。
2020年は毛皮動物にとって大きな転機となった年でした。それは新型コロナウイルスの中間宿主として毛皮動物が挙げられ、また実際に毛皮のために飼育され殺されるミンクたちに感染がひろがり、さらにはウイルスが変異し、人に再感染することも立証されたためです。ミンクだけでなく、ヌートリアやたぬきも中間宿主になり得るため、ヨーロッパでは毛皮農場の禁止が一気に決定、また実行されました。
日本には商業的に行われる毛皮農場は2016年に全て閉鎖されました。しかし毛皮農場が国内になかったとしても大量の毛皮を輸入し、他国での感染症拡大や、公害、そして動物虐待にカネを払い続けている状況が続いています。カルフォルニア州のように毛皮製品の販売を州法で禁止できることは最善ですが、日本のような政府が保守的で動きの悪い国では到底難しい話です。しかし政府の意識が低いことは国民の意識が低いことを意味しているわけではありません。消費者と企業が毛皮の輸入をやめればいいだけなのです。そして間違いなく日本はその方向に動いています。
2020年は毛皮輸入量が前年比55%減
毛皮付き衣料品(動物の毛皮が一部についている衣類)
輸入点数は1,082,446点、重量は669,116KGでした。2019年は2,421,677点、1,302,806KGであり、点数では55%減少、重量では49%減少しました。
このままの減少率を維持、またはより加速させていく必要があります。
なぜなら、今の状況でも、頭数に換算(アニマルライツセンターの試算で正確ではありません)すると、まだ
615,737頭
が日本の消費のために殺されたからです。1,082,446点が輸入され、売れ残りや廃棄があるにしても約100万人が購入したと考えることができるため、この人々に毛皮による動物たちの苦しみ、時代遅れであること、公害を引き起こしていること、持続不可能な素材であることを伝えていく必要があるということです。
毛皮原皮・なめし毛皮
いわゆる毛皮業者が仕入れていると考えられる分野です。COVID-19の影響もあった可能性があります。なぜなら毛皮業者はSAGAファーやコペンハーゲンファーなどの毛皮競売市場で仕入れていると思われるためです。
昨年、世界最大の毛皮競売市場のコペンハーゲンファーは、デンマークのミンク農場閉鎖に伴い、今後2~3年で競売を併催することを報道されました1。SAGAファーのフィンランドも毛皮農場禁止に向けて着実に動いており、縮小浜逃れないでしょう2。
とはいえ、コペンハーゲンファーは2021年は通常通り開催すると発表しており、またフィンランドのSAGAファーも含め自国で殺害した動物の毛皮だけでなく、中国からきた毛皮などを売りさばく場でもあるため、実際にはこれらの企業は場所を変えて営利を追求するものと考えられます。
日本はこの分野においても縮小の一途です。とはいえ、2020年のデータはCOVID-19のために一時的な数字であると考えてみるほうが正しいかもしれません。点数は67,790点、重量は91,992KGでした。この数字は2019年から比較すると点数36%減、重量は14%減です。2015年以降の変化を見ると微減し続けている状況にあります。
防寒具を含めファッションなどに動物の犠牲はもはや不要な時代です。間違いなく、日本の社会には不要です。ファーだけでなくレザーも含めてアニマルフリーが徐々に広まっています。どうか、この動きを後押ししてください。
企業はファーの取り扱いを今すぐやめ、その他の動物性素材の見直しと削減、取り扱い停止を検討してください。
消費者は、タグをよく確認して動物性素材が含まれている衣類を購入しないでください。
※ネットショッピングでもしも素材が書いていないことがあります、そのようなアンエシカルなブランドからは購入しないようにしてください。特に毛皮は商品表示法が古すぎて、表示しなくても良い素材になってしまっています。くれぐれもご注意ください。
*1 https://jp.reuters.com/article/uk-health-coronavirus-denmark-mink-fur/worlds-largest-fur-auction-will-close-idUKKBN27S2ZL
*2 https://worldanimalnews.com/finland-takes-a-historic-stand-against-fur-farming-sales-moving-towards-a-ban-on-fur/