カナダグースが新しく毛皮を仕入れることを廃止?2022年から
コヨーテの毛皮を首元などに大きくあしらうことで有名であったCANADA GOOSE(カナダグース)が、毛皮をリサイクル毛皮に変更し、2022年以降新たに毛皮を仕入れることをやめると発表しました。
2020年にリサイクル毛皮をサプライチェーンに導入する大胆で新しい取り組みを開始します。リサイクル毛皮を使用したパーカーの製造を開始し、2022年に新しい毛皮の調達を終了する予定です。同年秋には、一部の製品でリサイクル毛皮を目にするようになるでしょう。私たちはリアルファーの機能性と持続可能性に引き続き取り組んでいますが、既存のファーを再利用して、より良いものにするために挑戦していきます。
と述べています。毛皮の利用はやめないけれど、リサイクルすることにより新たな犠牲を産まないとするものです。私達はこの決断を歓迎します。一時的に流行したカナダグースのリアルファー付きジャケットは2018年の冬に人気があり、多くの動物の犠牲があからさまでした。これらがなくなることは進展です。
しかし、動物の毛皮自体を廃止してほしいと願います。なぜなら、リサイクルされたものなのか、新たに殺されたものなのかを確かめる術を消費者は持っていないからです。特に日本ではリアルファーは商品表示義務のないという特異な素材です。消費者はそれがなんなのかすら、確かめることもできないという事情があります。
実際、CANADA GOOSEは毛皮業者が持つ在庫を使用することを示しており、これはいつ殺されたのものなのか判断は全くつかないでしょう。いくらでも抜け道が用意され、CANADA GOOSEはいつまでも動物を傷つけ殺し続けている可能性があるのです。CANADA GOOSEは毛皮をやめることはないと明言しており、ファッションに動物の犠牲を継続することを明確に示しているブランドであるということを認識しておく必要があります。
※私達は商品表示義務化を求めています。残念ながらそれが達成されたとしてもカナダグースの良い取り組みは消費者には伝わらない可能性が高いのです。
同レポートでは「私たちは動物に不当な苦痛を与える故意の虐待、怠慢、または行為は容認しません。」とも述べています。しかし、それはいわゆるグリーンウォッシュです。そこまでのべたうえで、別のインタビュー*1では
毛皮は常に私たちの製品とコーポレートアイデンティティの大部分を占めている
毛皮を使用するという私たちの取り組みは揺るぎません。
と述べています。またダウンを使い続けることに疑問を持ちます。Responsible Down Standard(RDS)の認証を取ることを述べていますが、残念ながらこの認証は倫理的であることを意味してはいません。すでに多くのより機能的であったり、より暖かかったり、または有機分解が可能な素材が開発されている中です。
カナダグースが、その名の通りグースを苦しめるのではなく、グースを守るブランドになることを願います。
*1 https://www.truthaboutfur.com/blog/canada-goose-commitment-to-fur-unwavering/