2015年約167万頭が日本のリアルファー消費のために犠牲に
毛皮付き衣料の輸入量は大幅減少
2015年、毛皮付き衣料(付属品、帽子含む)の輸入量は、点数にして4,271,681点、重量は2,188,900Kgでした。
6,321,058点および 3,398,969Kgであった2014年と比較するとそれぞれ点数は32%減、重量は36%減となりました。
一部毛皮が使われている衣類や、総毛皮の衣類など様々な種類が含まれており、その判別は貿易統計の数字からは読み取ることはできません。そのため正確な頭数に換算することもできませんが、アニマルライツセンターの試算では(1)、1,401,095頭が犠牲になっています。
同様の試算方法で2014年の犠牲数を計算すると、2,265,979頭、2015年は犠牲数は864,884頭減少しました。
毛皮素材の輸入量は29,062頭分減少
2015年、毛皮の素材原皮(全形のもの、切断されたもの含む)の輸入は144,750kg、173,904Kgだった2014年から29,150Kg減少しました。
頭数にすると、2015年の消費のために、275,090頭が犠牲になり、約29,062頭が救われました。
毛皮消費は減少の一途、でも犠牲数はまだ膨大
2,014年に引き続き、[羊またはやぎ]の中国からの毛皮輸入量が増加しているものの、[キツネ][ウサギ][ミンク][その他]の動物の毛皮輸入量は減少しました。
さらに動物種は不明ですが、毛皮付きの衣料品、付属品は4年連続減少しています。
2015年はファストファッションだけでなくラグジュアリーブランドのHUGO BOSSや国内でも毛皮を使わないとする企業が増えています。また2014年に行った一般調査会社のWEBモニターを使った意識調査では、「毛皮を購入する」と答えた人は8%に過ぎませんでした。毛皮が残酷であり、毛皮が生産地の環境や人体に被害を及ぼしているという認識が広まり、倫理的な消費が広がっていると思われます。
しかし、その流れが多少増加しているとはいえ、いまだに推定1,676,185頭(1)もの動物が犠牲になっています。
寒い1月、2月には毛皮トリムがついたコートやマフラーを着ている人を数多く見かけます。EUやオーストラリア等から来た人からは、街中で見かける毛皮を身につけた人々の多さに驚いたと、いつも言われます。
注意:日本の毛皮輸入量には上記に加え、靴製品に付属している毛皮がありますが、財務省の貿易統計が、必ずしも毛皮付きではないものを含んでいる数字で計算されているため、正確ではなく把握が難しく、靴製品は上記グラフおよび数字に含まれていません。
(1)通常の衣類品全体の統計よりも1点あたりの重さが約300g重いため、毛皮による重量を1点300g、毛皮以外の重量を600gで計算