Vogue 表紙で毛皮問題を訴える
日本でも「VOGUE JAPAN」として知られ、世界18か国で発刊されているファッション・ライフスタイル雑誌のVOGUEのパリ版が2017年8月号の表紙でリアルファーの問題を訴えた。
ジゼル・ブンチェン、赤ちゃんカンガルーと共にVogue パリ版の表紙を飾り毛皮問題を訴える
今週号のVogue Parisは自分たちの立場を表明する。つい先ごろ、同誌は2017年8月号の表紙を公開したが、それは動物たちに味方し、リアルファー使用のファッションを批判するものだった。
今回、Vogue Paris は世界一ギャランティの高い(そしてアニマルライツ活動家であり、環境保護論者である)モデルのジゼル・ブンチェン(Gisele Bündchen)を起用した。写真に現われたのは、もこもこのフェイクファーに身を包む彼女が、カンガルーをはじめ、狐やウサギといった動物たちの赤ちゃんに寄り添う姿だ。
ブンチェンの撮影を担当した二人組の写真家イネスとヴィノードは、インスタグラムに投稿した長文で語る。「記事は動物のテーマで一貫し、表紙と本文中の写真はリアルファーの着用がもはや選択肢ではないと訴えています。全ての偉大なデザイナー達は今や理想的なフェイクファーのコートを作成しているので、この冬も着る物には困りません!」。
(FASHIONISTA MAURA BRANNIGANJUL 11, 2017)
フェイクファーに身を包み動物たちに寄りそうジゼル
この号の発刊の少し前、VOGUE JAPANでも、元スーパーモデルのEva Shivadasaniにインタビューを行い、毛皮の問題に触れている。インタビューの中でEvaはこう語っている。
彼女がモデルとして活躍したのは70~80年代。そのころと比べ、今では多くの人が毛皮問題を認識している。Eva、ジゼルに続き毛皮に「ノー」と表明するモデルは今後増えるかもしれない。
ここ1~2年で、アルマーニが毛皮を廃止、アムステルダムにFUR FREEショッピングストリートが誕生、インドがキツネやミンクといったエキゾチックアニマルの毛皮の輸入を禁止、スイスがアザラシの毛皮の輸入販売を禁止、毛皮農場禁止令がチェコ共和国の下院通過するなど、毛皮廃止への動きは目まぐるしい。今年6月にも、ユークスネッタポルテグループが自社ECで動物性毛皮製品の取扱いを廃止することを発表している。
VOGUEといえばファッション誌として知らない人は少ない。そしてモデルのジゼルはアメリカ合衆国では最も有名なスーパーモデルであり、数々のビルボードやテレビに出演し、20を越える諸国のブランド広告に登場している。両者がタッグを組んでリアルファーへの警鐘を鳴らしたことは、今後のファッション業界へ少なからず影響を与えるだろう。
(FASHIONISTA翻訳協力:LAILA,Inoue Taichi)