Doggymanさん ペットのおもちゃに毛皮を使わないで
Doggyman(ドギーマンハヤシ株式会社)で、リアルファー付きのペットのおもちゃが販売されています。
アニマルライツセンターは「ペットのおもちゃに、動物を苦しめ、命を奪って作られた毛皮を使用しないでほしい」とDoggymanに要望していますが、残念ながら現在(2018年2月時点)も廃止に至っていない状況です。
近年、毛皮付き動物のおもちゃの販売を自粛する企業が増えています。ドギーマンさんも何らかの取り組みをしていただけるよう、ぜひ皆様からも、意見を届けていただけますよう、よろしくお願いします。
Doggyman(ドギーマンハヤシ株式会社)
お客様相談室
http://www.doggyman.com/?p=advice
ドギーマンハヤシへの要望
2016年3月4日
アニマルライツセンターからの提案書
ドギーマンハヤシ株式会社
代表取締役社長 林 雄一 殿
拝啓
貴社におかれましては時下ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。
わたしたちアニマルライツセンターは動物の権利を守る運動を行うNPO法人です。できる限り動物の犠牲を伴わない社会を実現するため、様々な提案活動を行っています。
このたび、貴社で販売されている商品「毛皮(リアルファー)付き動物のおもちゃ」について提案があり、ご連絡を差し上げました。
貴社もご存知かもしれませんが、近年毛皮を廃止する企業が増えております。2015年7月にラグジュアリーブランドの HUGO BOSS が毛皮廃止を宣言し、2015年末には、アシックス、福助などの日本企業も毛皮の廃止を宣言されました。そのほか通販のフェリシモ、無印良品、ユニクロなどといった企業もすでに毛皮の販売を廃止しています。
全国1000店舗を展開するツルハドラッグも、以前は貴社と同じく毛皮付き動物のおもちゃを販売されていましたが、消費者からの要望を受けて2014年に「今後、毛皮付き商品を仕入れない」と明言されました。
また私どもが2014年に毛皮付き動物のおもちゃの販売廃止を求めて署名を提出したヤマヒサ(ペットケア事業部Petio)も現時点で毛皮付き商品の販売をゼロにしてくださっています。
これらの企業が毛皮廃止を決定した理由は、毛皮の生産過程が残酷であり、毛皮に代わる素材が数多く存在するからです。
世界毛皮貿易連盟によると世界中の毛皮の85%が動物養殖で作られています。
この毛皮のための動物養殖は、動物福祉上大きな問題があると言われています。
例えば、うさぎ養殖の場合ですと、うさぎは一生をケージの中で過ごさねばなりません。四方・足元も金網のため、皮膚炎・腫瘍で苦しんでいるうさぎや、狭いケージでの過密飼育で耳を噛むなど攻撃されるうさぎもいます。運動はできず、習性である穴掘りも、ジャンプもできず、ただ金網の上にうずくまったまま生活をすることを強いられます。
こういった動物養殖場における死亡率は高く、2003年から2004年にかけてスペインとポルトガルで行われた調査では白うさぎとレックスうさぎで死亡率10-15%、オリラグうさぎでは25-30%という結果でした。Swiss animal protection 他2つの動物保護団体による2012年のレポートでは、中国の毛皮用動物養殖場におけるキツネの離乳までの死亡率は50%となっています。
2014年に私どもが民間の調査会社を使って行った消費者意識調査(*)では、「毛皮にされる動物がかわいそうだと思いますか?」との問いにたいして、 61.2%が「はい」、29.1%が「どちらともいえない」、9.7%が「いいえ」と回答しています。毛皮にされる動物に対して同情的な意見は少なくありません。
また、財務省貿易統計によると毛皮付き衣料(帽子含む)の輸入重量は、2005年から2015年にかけて73%減少しています。
これらは毛皮に対して問題意識を持つ人が増えてきていることの現れではないでしょうか。
貴社に対して、「残酷な過程を経て生産される毛皮商品を、動物のおもちゃとして販売してほしくない」という多くの市民の声も私どものところに届いております。
私たちは市民を代表して、毛皮(リアルファー)付き商品の販売廃止を、貴社に提案いたします。
毛皮に代わる素材は多数ございます。
動物に優しい選択をご検討していただけますよう、よろしくお願いします。
ご多用中、誠に恐縮に存じますが、貴社のお考えを、メール、もしくはFAXまでご回答いただければ幸甚です。
* 調査機関:2014年9月24日~9月26日
調査対象:18歳~39歳 男女 1,000名
調査方法:スマートフォンを利用したWEB調査
2016年3月18日
ドギーマンハヤシ株式会社から、使用しているウサギの毛皮は食肉用であり、動物虐待に結びつかないと認識しているとの回答をいただきました。
2016年3月20日
アニマルライツセンターからの質問書
ドギーマンヤハシ株式会社
代表取締役社長 林 雄一 殿
拝啓、時下ますますご清祥のこととお慶び申し上げます。
この度はわたくしどもの提案に対する貴社のお考えをお聞かせいただき、ありがとうございました。
貴社のお考えについて、動物愛護を気に掛ける市民を代表し、下記の点をお伺いしたいと思います。
ご多用中、誠に恐縮に存じますが、貴社のお考えを、メール、もしくはFAXまでご回答をいただけないでしょうか。
記
1.「猫玩具に使用していますウサギの毛は、中国国内にて経済動物(食肉用)として飼育しておりますウサギ家畜と信じております。」とのご回答ですが、貴社でご使用のウサギ毛が食肉用か毛皮用かは明確でないということでしょうか?
2「動物虐待に直接結びつくような利用方法ではないと信じております。」とのご回答ですが、食肉用に飼育されるウサギのほとんどがケージ飼育であり(*1)、毛皮と同様、食肉生産におけるウサギ飼育の福祉の劣悪さが告発されています。
下記のサイトをご参考ください。
2012-2013年 フランスの食肉用ウサギ養殖場
http://www.l214.com/lapins
2014年 イタリア、ギリシャ、チェコ共和国、ポーランド、キプロスにおける16の食肉用ウサギ養殖場
http://www.ciwf.org.uk/our-campaigns/investigations/rabbit-investigations/2014-the-biggest-secret-of-the-cage-age/
私どもとしては、食肉用であっても毛皮用であってもウサギ養殖の方法に変わりはないと認識しています。貴社が食肉用であれば動物虐待に結びつかないとする根拠があれば、お示しください。
3.動物性素材を使用する際、健全な動物福祉を保証するために貴社において何らかの取り組みがあるかどうか(あるいは今後予定しているか)教えてください。
昨年TBSでも報道されましたが、アンゴラウサギの毛の90%を供給する中国において、その生産過程が残虐であることが明らかになり、H&M、カルバン・クライン、エイソス、「ザラ」などを展開するファッション業界大手のインディテックスなどが使用中止に踏み切っています。
動物福祉に対し、社会的責任を意識する企業が増えてきていると私たちは感じています。
たとえばアウトドアスポーツウェアの販売をするパタゴニアは自社で使用する動物性素材(ダウン)において、強制給餌やライブ・プラッキング(生きたまま羽毛採取)を行われた鳥によるものではないことを保証するトレーサブル(追跡可能な)・ダウンを100%使用しています(2)。
IKEAは自社で取り扱いをしている羊毛、羊皮の原材料となる羊にミュールシング(羊の肛門周りの皮膚を剥ぐ処置)を行っておらず、IKEAサイトでも畜産動物福祉に言及しています(3)。
アパレルメーカーH&Mは動物愛護への立場をより明確にしており、獣毛については「私たちの目標はカシミヤやモヘア、アルパカなどのあらゆる獣毛について完全なトレーサビリティを実現することです。すべての農場に対して、動物福祉ガイドライン「5つの自由」に示されている要件に従うよう求めていきます。このガイドラインは、H&Mのために動物由来製品を生産する全農場に対する指針「良好な畜産環境に関する、H&Mの基本的農場要件」の基礎ともなっています。」という立場をとっています(*4)。
以上、何卒よろしくお願い申し上げます。
最後になりますが、ウサギの毛を貴社が仕入れる際に対価が発生する以上、玩具のために動物の命を奪う産業に意識せず加担してしまっていることに変わりはなく、副産物であるか主産物であるかは問題にならないと、わたくしどもは考えています。
知名度が高く社会的影響力の大きい貴社におかれましては、動物保護、動物福祉に対しての明確な意思表示をしていただきたいというのが私たちの願いです。
*1 Compassion in Food Business「Rabbit meat production in the EU」 September 2014
クリックしてinfo-1-rabbit-meat-production-in-the-eu.pdfにアクセス
*2 patagonia 100%トレーサブル・ダウン
http://www.patagonia.com/jp/patagonia.go?assetid=37607
*3 IKEA ステークホルダーとの対話
http://www.ikea.com/ms/ja_JP/about_ikea/our_responsibility/partnerships/other_stakeholders.html
*4 H&M サステナビリティ「動物愛護」
http://about.hm.com/ja/About/sustainability/hot-topics/animal-welfare.html
2016年4月8日
ドギーマンハヤシ株式会社からは、前回の回答と変わりない旨の回答をいただきました。
2018年2月12日
アニマルライツセンターからの提案書
ドギーマンハヤシ株式会社
代表取締役社長 林 雄一殿
拝啓
貴社におかれましては時下ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。
わたしたちアニマルライツセンターは人と動物との穏やかな共存を目指して様々な提案活動を行う認定NPO法人です。
2016年3月にも文書を差し上げましたが、貴社で販売されている商品「毛皮(リアルファー)付き動物のおもちゃ」について再度情報提供・提案があり、ご連絡を差し上げました。
貴社もご存知かもしれませんが、近年毛皮を廃止する企業が増えております。2015年7月にラグジュアリーブランドの HUGO BOSS が毛皮廃止を宣言、日本企業においても、アシックス、福助、通販のフェリシモ、無印良品、ユニクロなどといった企業がすでに毛皮販売を廃止していることは以前申し上げた通りですが、その後2016年3月にはアルマーニが、2017年10月にGUCCIが毛皮を廃止しました。GUCCIのニュースはTVや新聞でも取り上げられ話題となりました。こういった動きを受けて、本物の毛皮ではないエコファー(フェイクファー)は国内のファッション誌、NHKニュースなどでも取り上げられるようになり、今ではエシカルファッションとして多くの人の支持を得るようになっています。
「ねこじゃらし」などのおもちゃに使用される毛皮においてもこういった動きが拡がっており、全国1000店舗を展開するツルハドラッグ様は、2014年に「今後、毛皮付き商品を仕入れない」と明言されました。また当法人が2014年に毛皮付きの「動物のおもちゃ」の販売廃止を求めて署名を提出したヤマヒサ(ペットケア事業部Petio)様も毛皮付き商品の販売をゼロにされたことは以前情報提供させていただいた通りです。その後同じく私共が要望しておりましたホームセンターのコーナン様も2016年に自社ブランドにおける毛皮付き商品を廃止することを約束してくださいました。また2018年にはアース・ペット様が当法人の提案に対してリアルファー付き動物のおもちゃを廃止する意向を示してくださいました。同社ではフェイクファー商品の開発にも取り掛かっているそうです。
これらの企業が毛皮廃止を決定した背景には、毛皮の生産過程が残酷であり、毛皮に代わる素材が数多く存在することを認識されるようになったことがあります。
当法人は貴社に下記の提案をさせていただきます。
・貴社における毛皮(リアルファー)付きおもちゃの販売廃止
当法人の元へは、ホームセンター等を利用する市民から「残酷な過程を経て生産される毛皮商品を、動物のおもちゃとして販売してほしくない」という多数の声が寄せられています。
以前文書でお伝えした通り、財務省貿易統計によると毛皮付き衣料(帽子含む)の輸入重量は、2005年から2015年にかけて73%減少していますが、その後2015年から2016年にかけても20%減少しており*、エシカルな選択をする消費者が増えていることをわかります。
動物のおもちゃを購入するのはほとんどの場合動物を可愛がっているかたであり、毛皮への問題意識も高いと考えられます。毛皮付きおもちゃの販売廃止は毛皮商品を見たくないという消費者の声に応えるものであり、毛皮を縮小しようとする世界の流れの中にあっては企業のプラスイメージにつながるものでもあります。
本提案についてご検討いただけますよう、何卒よろしくお願いします。
ご多用中、誠に恐縮に存じますが、メール、あるいは文書等でご回答いただければ幸甚です。
敬具
*http://www.no-fur.org/2016-fur-import/
2018年2月23日
ドギーマンハヤシ株式会社からは、前回の回答と変わりない旨の回答をいただきました。
2件のフィードバック
[…] 残念ながら、ドギーマンなど他社のリアルファー付きおもちゃの販売ついては現行通りの扱いということですが、自社ブランドのみでも廃止を決断してくださったのは大きな一歩です。 今後は自社だけではなく他社ブランドについても、リアルファー付きおもちゃの廃止をしていただけるよう、重ねてコーナンにお願いをしています。 […]
[…] 動物の一部を使ったおもちゃについては賛否両論ありまして、ドギーマンに要望を投げた団体があります。 回答は […]