海外の法規制:毛皮動物の飼育は禁止の流れ
多くの国でリアルファーのための動物の繁殖が制限されるようになっています。特に、犬猫のファーの輸入の禁止は当然のこととして進んでいます。
しかしその一方で、毛皮のための動物飼育が禁止である英国に、ファーの世界貿易センターが位置しているなどの矛盾も抱えています。
毛皮に関する法規制表
規制内容 | 日本 | ヨーロッパ | USA | その他 | ||
毛皮用動物養殖禁止 | なし | 英国(注1) クロアチア(注2) オーストリア(注3) スロベニア(注4) オランダ(注5) マケドニア(注6) ボスニア・ヘルツェゴビナ(注7) ベルギー ワロン地域(注8) スウェーデン(キツネ)(注9) デンマーク(キツネ)(注10) チェコ共和国(注31) | なし | ブラジル・サンパウロ(注11) | ||
毛皮の輸出入禁止 | なし | EU:犬・猫・アザラシの毛皮の輸出入禁止(注12/13) | 犬・猫・アザラシの毛皮の輸出入禁止(注14/15) | オーストラリア:犬猫(注16) | 台湾:アザラシの毛皮輸入禁止(注17) | インド:キツネ、ミンク、チンチラの毛皮、爬虫類の皮輸入禁止(注28) |
毛皮売買禁止 | なし | EU:犬・猫・アザラシの毛皮販売禁止(注12/13) アムステルダム ハンテン通り(Hartenstraat)全毛皮販売禁止 スイスアザラシの毛皮輸入禁止(注32) | 犬・猫・アザラシの毛皮販売禁止(注14/15) カリフォルニア州ウエストハリウッド市:毛皮販売全面禁止(注18)カリフォルニア州バークレー市:中古品を除く毛皮の販売禁止(30) | ブラジル・サンパウロ(注19) | ||
毛皮の品質表示義務 | なし | EU(注20) オランダ(注21) スイス(注22) | アメリカ(注23) | オーストラリア(注24) ニュージーランド(注25) | カナダ(注26) | 韓国(60%以上を構成する場合)(注27) |
海外の規制
ウェストハリウッド
2011年9月20日 ウエストハリウッドでの毛皮販売を全面禁止が可決され、2012年6月30日に有効になった。
ウエストハリウッドがFUR FREEの街になった経緯
EU
2008年12月31日 犬猫の毛皮の輸出入・販売全面禁止。
2009年5月5日 アザラシの毛皮製品の輸出入・販売を全面禁止。
オーストリア
1990年代にオーストリアの9つの行政区で次々と毛皮用動物の飼育を法律で禁止しました。1998年6月最後の行政区でただ1つ残っていた毛皮用動物飼育場が閉鎖されました。
スコットランド
1993年に国内の全ての飼育場が閉鎖。毛皮動物飼育場禁止法が設立。
オランダ
1995年からきつね、1997年からチンチラの飼育を禁止し、2008年4月1日までにそれらの飼育場を全廃するという法案を可決しています。 ミンクについては、欧州委員会へプロポーザル「毛皮取得のために動物を飼育し、殺す行為を禁止する、オランダ政府は、動物を殺し毛皮をとる行為は正当化さ れない」を通知した。10年間の猶予期間を設定し、段階的な廃止のためのこの法案が法律になるには、2つの議会で承認されなくてはならない。これが決まれ ば全世界の1割を生産するミンク工場が閉鎖されることになります。
イギリスおよびウェールズ(グレートブリテンおよび北部アイルランド連合王国の一部)
2000年11月、毛皮動物の飼育を禁止する法案を道徳的観点により可決しました。2002年、スコットランドでも飼育の禁止法が成立。2003年、北アイルランドでも禁止。
イギリスのハロッズは、高まる 「反毛皮」の消費者の流れを受け、毛皮を販売していません
クロアチア
2006年、毛皮動物の飼育を禁止する法律を施行。10年間かけて段階的に廃止をする。2017年1月から禁止になる。
犬や猫の毛皮については、欧米では特に敏感です。勿論、毛皮そのものへの規制が厳しくかけられ始めていますが、消費者が大変嫌悪感を示すものに、コンパニ オンアニマルとして定着している犬と猫の毛皮が表示をごまかし、売られていることがあります。 2002年12月のロイターニュースによれば、毛皮の違法取引撲滅のための新しい方法が開発されました。これはドイツのサーランド大学の科学者によって開 発された方法で、毛皮の種類の特定にわずか2時間しかかからないというものです。毛皮はある酵素に2時間浸され、毛についているプロテインを落としたあ と、さらにある機械にかけられ、その動物種に特定のアミノ酸を割り出します。現在、この方法を自動化する方法に挑戦中とのことで、警察も違法毛皮撲滅の新 兵器と期待しています。
アメリカ合衆国
2000年 米国 犬猫の毛皮製品の製造・販売・輸出入を禁止
イタリア
2002年、犬猫の毛皮・皮革製品の製造・販売・輸入を禁止しました。
ミンクの飼育場では、動物福祉法により、泳ぐことが出来るプール、より大きなスペース、土の上の檻が必要となっている。
スイス
動物園の飼育基準(日本にはないが)に準拠している場合にのみ飼育が許可されるため、スイスに毛皮動物の飼育場はありません。
ベルギー
2004年、犬、猫、アザラシの毛皮製品の輸入を禁止
ドイツ
ドイツでは複数の州(Bavaria, Hesse, North Rhine-Westphalia , Schleswig-Holstein)で毛皮動物の飼育は禁止されている。その他の地域ではライセンス制となっている。現在10のミンク農場があるとされている。
オーストラリア
犬猫の毛皮の取引を禁止
ワロン地方(ベルギー南部)
2015/1/1から毛皮の生産を禁止
サンパウロ(ブラジル)
2014/11 コートやファッション・アクセサリーなどのために利用されるウサギ、キツネ、ミンク、アナグマ、アザラシ、コヨーテ、リス、チンチラを含む動物を守るため、毛皮の生産を禁止した。
注1 http://www.legislation.gov.uk/ukpga/2000/33/introduction?view=extent&timeline=true
注2 http://narodne-novine.nn.hr/clanci/sluzbeni/2006_12_135_3045.html
注3 https://www.ris.bka.gv.at/Dokumente/Erv/ERV_2004_1_118/ERV_2004_1_118.pdf
注4 http://www.uradni-list.si/1/content?id=112368#!/Zakon-o-spremembah-in-dopolnitvah-Zakona-o-zasciti-zivali-(ZZZiv-C)
注5 http://wetten.overheid.nl/BWBR0032739/geldigheidsdatum_04-01-2016
注6 http://e-demokratija.mk/documents/10157/125790/%D0%97%D0%B0%D0%BA%D0%BE%D0%BD+%D0%B7%D0%B0+%D0%B7%D0%B0%D1%88%D1%82%D0%B8%D1%82%D0%B0+%D0%B8+%D0%B1%D0%BB%D0%B0%D0%B3%D0%BE%D1%81%D0%BE%D1%81%D1%82%D0%BE%D1%98%D0%B1%D0%B0+%D0%BD%D0%B0+%D0%B6%D0%B8%D0%B2%D0%BE%D1%82%D0%BD%D0%B8%D1%82%D0%B5
注7 http://vfs.unsa.ba/web/images/dokumenti/Zako_o_zastiti_i_dobrobiti_zivotinja.pdf
注8 http://www.gaia.be/en/news/walloon-government-bans-fur-farming
注9 http://www.djurensratt.se/vara-fragor/djur-i-palsindustrin/ravar
注10 http://www.pelzinstitut.de/aktuell/detailansicht/article/fuchszucht-in-daenemark/
注11 http://www.saopaulo.sp.gov.br/spnoticias/lenoticia2.php?id=238182
注12 http://eur-lex.europa.eu/legal-content/EN/TXT/?uri=URISERV:cx0001
注13 http://eur-lex.europa.eu/legal-content/EN/TXT/?qid=1450427667214&uri=CELEX:32007R1523
注14 https://www.federalregister.gov/articles/2001/08/10/01-20081/dog-and-cat-protection-act
注15 http://www.nmfs.noaa.gov/pr/pdfs/laws/mmpa.pdf
注16http://www.austlii.edu.au/au/legis/cth/num_reg_es/ciar200442004n142566.html
注17 http://law.coa.gov.tw/GLRSnewsout/LawContentDetails.aspx?id=FL014500…
注18 http://www.weho.org/Home/ShowDocument?id=10600
注19 http://cmspbdoc.inf.br/iah/fulltext/projeto/PL0537-2013.pdf
注20 http://www.europarl.europa.eu/news/en/news-room/20110510IPR19126/Parliament-approves-new-textile-labelling-rules
注21 http://www.euractiv.com/food/eu-label-clothes-real-fur-leather-news-504791
注22 http://www.intertek.com/sparkles/2013/new-requirements-fur-labelling-switzerland/
注23 https://www.ftc.gov/node/119458
注24 https://www.productsafety.gov.au/content/index.phtml/itemId/971636
注25 http://www.comcom.govt.nz/fair-trading/consumer-information-standards/care-labelling/
注26 http://www.competitionbureau.gc.ca/eic/site/cb-bc.nsf/eng/01249.html
注27 http://www.industrial-newsroom.com/news-detail/t/korea-to-amend-safety-and-quality-labeling-requirements-for-leather-products/
注28 http://www.petaindia.com/wp-content/uploads/2017/01/DGFT-Notification.pdf
注30 http://www.dailycal.org/2017/04/03/berkeley-city-council-approves-ban-local-fur-sales/
注31 http://www.senat.cz/xqw/xervlet/pssenat/htmlhled?action=doc&value=84493
注32 https://www.admin.ch/gov/en/start/documentation/media-releases.msg-id-65877.html
アニマルライツセンター調べ
毛皮は元から着ないのでいいのだが、この「動物愛護」の観点で行くとシルク、革はおろか、羊毛まで禁止となっていきそうな雰囲気はある・・最終的にフラックスリネンのような植物性のものか、ポリエステルのような化学合成のものだけが残るのだろうか・・?
またキツネとウサギの毛を同時に禁止したわけだが、野生のキツネは野生のウサギを食べるのでキツネが殺されずに野生に放たれた場合、むしろそれがウサギや小動物などの別の生き物を必要として結局は動物間での殺し合いは激化するし、生態系も崩れてどうなるかわからない。収入がなくなったミンク工場にいたキツネたちを環境グループがすべて引き取るのか?もし引き取れない場合にはキツネは自分たちの食料さえも農家に供給してもらえず、野生に放たれるわけだが、その際ウサギを食い殺すことになる。環境保護なりヴィーガンの人々はキツネにもヴィーガンを要求するのだろうか?それこそ別の動物虐待ではないのか?この手の人たちは生態系への影響、そして肉食動物がほかの動物を食い殺しているということを考慮せずに環境問題に熱中していることが多い。もう少し広い視野で語ってほしい。